後立山末端(新潟) 千丈峰(807.2m) 2017年4月8日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:20 不動滝キャンプ場−−7:23 林道を離れる−−8:10 700m峰(スノーシュー、ピッケルをデポ) 8:13−−8:43 千丈峰(休憩) 9:13−−9:33 700m峰(スノーシュー、ピッケル回収) 9:37−−10:00 林道−−10:38 不動滝キャンプ場

場所新潟県糸魚川市
年月日2017年4月8日 日帰り
天候小雨後曇後時々晴
山行種類残雪+籔山
交通手段マイカー
駐車場不動滝キャンプ場に駐車
登山道の有無無し
籔の有無700m峰〜山頂間は雪が落ちて灌木藪
危険個所の有無700m峰〜山頂間は痩せてはいるが灌木が多くさほど危険は無い
山頂の展望樹林で展望なし
GPSトラックログ
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コメント東側の不動滝から往復。予想外に虫川沿いの車道は不動滝キャンプ場まで除雪されてアプローチで楽ができた。残雪は少なく地面が多く見えていたが、藪はそれほど濃くはなかった。標高700m峰から山頂までは痩せ尾根で前半は雪が完全に落ちていたが、灌木が張り出しているものの道形ありで、無雪期でも問題なく登れそうで残雪期に出向いてちょっと損した気分。山頂には「トライアングルポイント」の山頂標識があった。なお「小ギラ」は崖ではなく意外に傾斜が緩い一枚岩のスラブだった




不動滝キャンプ場。ここまで除雪済み 未除雪の林道を進む
岡集落へ続く林道も未除雪 南斜面の林道は雪が消えている
虫川にかかる橋 この水量が不動滝の水量
林道カーブから小尾根に乗る かなり雪が消えている
尾根上は灌木藪が出てしまい谷を登った 谷から尾根へ復帰。傾斜が緩む
標高560m付近 標高580m付近の熊棚
東方の581m峰南側は採石地 標高610m付近から見た明星山
標高630m付近。急斜面 標高660m付近から見た海谷山塊
標高670m付近 標高700m峰直下でスノーシュー、ピッケルをデポ
標高700m峰から見た千丈峰 小ギラは絶壁ではなく傾斜のある巨大一枚岩
日本海側の眺め 糸魚川市街中心部
尾根上は灌木だが道形あり 明らかに人の手が入っている
標高750mを過ぎると尾根幅が広がり残雪帯へ ここでアイゼン装着したが雪稜上を歩けば不要だった
千丈峰山頂。藪は濃くない 「トライアングルポイント」の山頂標識。超久しぶりに見た
千丈峰から見た雪倉山 千丈峰北側斜面
今年初めて見たマンサクの花 標高720m付近の巨大倒木。展望良好
巨大倒木から見た雨飾山、焼山
巨大倒木から見た明星山、一本松山
千丈峰と小ギラ もうすぐ林道
林道到着 駐車場到着


 犬ヶ岳東尾根を往復した際、一本松山付近の1022m峰から北に派生する尾根上にある千丈峰が気になった。この付近で唯一の未踏であり、雪が使える時期のうちに登っておきたい場所だ。登頂ルートだが一本松山経由では余分なピークを登るし帰りの登り返しがもったいないので論外、東の菅沼集落から往復するのが最も効率的だろう。ただし、この時期にどこまで車で入れるのかが不明。少なくとも南側の岡集落からは道路は除雪されていないのは確認済み。残るは日本海側から虫川沿いの道を遡る道だが、地形図だと途中に虫川集落があり、もしかしたらそこまでは入れるかもと考える。長野からだと遠回りになるが北から回り込むことにする。

 平岡、小滝を通過して糸魚川市街地のすぐ手前まで下り、Uターンするように虫川沿いの道に入っていく。大谷内集落を過ぎると林道になるが周囲に雪は無く除雪不要な状況だった。さて、どこまで入れるか? 虫川集落は廃村らしく放置された建物が数軒あるだけだった。この先からチラホラと周囲に雪が見えるようになるが路上に雪は無く、さらに進むと明らかに道路は除雪されていた。もしかしたら菅沼集落までは入れるか? その予想は的中し、除雪は菅沼集落北側の不動滝キャンプ場までであった。ここから千丈峰取り付きまで林道を歩くが、ここは雪に埋もれていた。それでも最悪想定より遥かに楽ができたのでラッキーだ。除雪された駐車場に車を置いて出発。

 最初からスノーシューを装着。林道は路面は平坦な雪で覆われ危険なトラバースは皆無だった。岡集落へ続く林道と合流したが、やはり除雪されていなかった。もちろん北へ延びる林道も除雪はされていない。西側には千丈峰へ続く尾根が見えているが雪が消えてしまっている範囲が広く、雪が残る場所を探して適当に辿るしかないだろう。

 林道合流点のすぐ先、林道が右に大きくカーブするところで舗装路面の雪が消えているが、スノーシューを外すのは面倒なので路側の草付きを歩いた。虫川を渡る橋を通過し、3連続ヘアピンカーブの3番目カーブ(標高430m)で林道を離れて小尾根に取り付いたが、部分的に雪が消えて潅木藪が出ており、1個所の灌木藪は盛大だったが他は大したことはなかった。右手には小さな沢があるが流れが出てしまっていて利用できない。

 尾根の傾斜が増して植生に潅木藪が混じるようになる直前で、右手の谷の流れが雪に埋もれたのでトラバースしてそちらに乗り移る。見える範囲では傾斜はきついが危険を伴うほどではなく、ピッケルを刺しながらスノーシューのまま登っていく。幸い、上部まで流れが出ているところはなかったが、最後は半分崖状の地形で終わっており、そこはよじ登れないのでその手前で先ほどまで歩いてきた小さな尾根に乗り移る(標高530m)。少し登って標高540mに達すると左から合流した広い尾根に乗り、尾根の傾斜が緩んで一面に雪が乗っていて快適に歩る状態になった。

 植生は発達したブナ林になり熊棚もあった。尾根に乗り上げると背の高い自然林で快適な雪の稜線歩きに変わる。積雪量はそれほど多くないように思え、せいぜい1m程度ではなかろうか。いくら豪雪地帯とは言え、この標高では雪解けも進んでいるのだろう。標高590m付近では広範囲で地面が見えている部分があったが、藪はさほど濃くなかった。

 標高630〜670m付近は地形図で見るよりも傾斜が急で、スノーシューのヒールリフターが効果を発揮しピッケルも役立つ。東にはまだかなりの白さが残る海谷山塊、北東には糸魚川市街地が見えていた。

 標高670mで傾斜が緩んで雪が増え、さらに進んで標高700m肩手前に到着。ここまではブナ林が中心の明るく残雪の斜面だったが、ここで尾根が痩せて雪が落ちてしまっている。地形図でもこの先は尾根幅が狭く藪が出ていると予想していたが、そのとおりだった。山頂までスノーシューとピッケルの出番はないだろうとここにデポすることにした。念のためアイゼンだけは持っていく。

 低い潅木に覆われた目の前の小ピークに登るとこれから登る尾根の様子が良く分かる。雪はなく細い潅木に覆われている。地形図には右手のガレマークに「小ギラ」と記されているが、垂直の岩壁かと思ったら斜めになったスラブであった。雪に埋もれた時期ならここを登れそうな印象を受けたが、雪解けのこの時期は岩盤が滑り台になって雪が下方に落ちているのが見えた。登ってきた林道の東側の尾根は採石場なのだろうか、重機で削られていた。その北側を見ると舗装された林道が延々と続いていて路面には雪が見えない。もしかしたら北からアプローチすれば車でもっと奥まで入れたのかもしれない。

 尾根上は立った小潅木に覆われて鬱陶しくはあるが激藪ではなく、しかも一筋の隙間が続いている。よ〜く見ると切り口が平らな木があり、過去に人の手が入ったのは間違いない。残雪期に登ってちょっとばかり損した気分だ。道筋は尾根直上や僅かに南側に付いていた。ただし700m峰から下にはまだ道形が残っているのか、どこに付いているのかは不明だ。この道筋が無くても登れる程度の藪であるが、道形があればそれなりに藪漕ぎは楽になって助かる。

 標高750m地点で僅かに尾根幅が広がり尾根上に雪庇残骸が登場、大したものではないがナイフリッジ状になった場所も登場。南側が壁状で北側は斜面に沿った傾きだ。登りではまだ傾斜に目が慣れていなくて雪庇上の北への傾斜が強すぎるように思えて南の雪壁直下を巻いたが、上によじ登るためだけにアイゼンを装着した。ここはピッケルがあると助かったのだがデポしてしまったので雪から突き出た枝に掴まってよじ登る。帰りは雪庇直上を歩いたが特に問題はなくアイゼンは不要だったが、痩せた雪稜や雪の斜面を歩くときはピッケルが無い手ぶらでは不安を感じてしまう(笑)。いまやピッケルはすっかり手になじんでいるようだ。

 この後はほぼ雪面が続くようになるが雪はさほど踏み抜くこともなくアイゼンのままでも問題なかった。そのまま山頂まで残雪が続いて千丈峰山頂に到着。

 山頂は雪が消えて潅木藪が出ているがそれほど濃くはなく、無雪期でもいけそうな状況だった。意外にも山頂標識が掲げてあり、設置高さからして無雪期のものだろう。設置主は「トライアングルポイント」で、大昔に東北の山で見かけたことがあるメジャーな集団だ。ただしここ20年くらいは見た記憶が無い。私登る山のエリアが彼らの守備範囲外なのかもしれない。今の時代に標識に連絡先まで書いてあるのは驚きだ。山頂周囲は樹林に覆われて展望は悪かった。山頂でちょっとばかり休憩。

 帰りは往路をそのまま戻った。標高650m付近の急な尾根は雪が緩んで表層の雪ごとスノーシューと一緒にずり落ちるので、バックで下りつつピッケルで制動をかける。往路の谷も同様でピッケルで体重を支えながら後ろ向きで下った。傾斜が緩んで谷から小尾根に上がれば林道まで僅かだ。林道に乗り一部を除いて雪の上を下っていく。さすがに下りは楽だ。

 駐車場に到着すると車が他に1台あった。ここは不動滝があるので少し早いが観光だろうか、それとも山菜取りだろうか。ここまで来ると杉の植林があり、花粉を飛ばして目が痒くなる。車内で軽く腹ごしらえしてから帰途に就いた。

 

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